2021年11月11日木曜日

《 打 造 》 池莉 2020中国年度中篇小说より

池莉 さんは、有名な武漢の女性作家さんなので、73頁あってちょっと長いけど読み始めてみました。

最初はそれほどでもなかったのですが、流石ですね。段々と止められなくなりました。(私が言うのも変ですが、上手い中国語という気がしました)

それぞれの実家を巻き込み男の子をどうしても生まねばという設定で、コミカルな感じを期待したのですが、かなり深刻な状況が織り込まれていきます。

また、作者の「打造」という言葉にこめた思いなども書かれています。


難しい表現などもあってどんどん飛ばして読んだせいでしょうか。以下の疑問点が残りました。

①格瑞丝,弟弟韦千禧,妹妹韦漪は、実の三兄弟なのです。が、格瑞丝は名前もフランス人ぽいし、フランスに帰っていきます。 これはどうして?

②最初のほうにこの年代は一人っ子政策でかつかなり厳しかったことが書かれているのですが、なぜ三人兄弟?


読後の感想としては、決して爽やかというわけではありません。

ⅰ)p215の啓蟄のあたりが、ちと生々しい。

ⅱ)韦漪の登場が、ここまで必要なのかと思ってしまった。



2 件のコメント:

  1. 町田さん、さすが!  〈打造〉は長くて、まじめそうだったので、気後れしてました。墨香銅臭のBL小説にうつつを抜かしている自分に喝が入りました。よ、読んでみようかな。

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  2. 中国語読書会、裏でもやってます。
    町田さんの禁断の呪文「段々と止められなくなりました。」に触発され、〈打造〉読んでみました。

    「二人っ子政策」開始をまえに、钟鑫涛・俞思语夫妻は「子どもをもうひとり生もう」と決めます。両家のプレッシャーを受けつつ、ヒロインの俞思语とともに武漢の2015年を過ごした、そんな読書体験でした。とくに武漢の夏の描写には、息が詰まりました。
    家系の繁栄、家庭の平和、すべてが男児出生の一点に集約できてしまう中国的社会習慣の根深さに圧倒されました。“90后”の钟欣婷ですら、その概念に縛られている。
    そのいっぽうで、詹鄂湘の「你就当男人是条狗吧, 你在家里备了世界上最好的狗粮, 它出去还是要吃屎。」というセリフ、やはり「耄耋之年」の女性はいうことが違う、身も蓋もないわー。俞奶奶と女性看護師とのやりとりも印象的でした。俞奶奶が「無表情で」ってところが重たい。初々しい俞思语も怒涛の2015年を経て、どんどん進化してしまう。読後感はそんな恐ろしい予感を秘めています。女性のしたたかさ、生命力の強さに翻弄されました。映像化するなら、俞思语は刘诗诗ですよ! 

    男性の描きかたが単一的で、もう少し厚みがあるとよかったなぁと思います。
    「打造」というタイトル、言葉のイメージがお堅い感じ。なのに読んでみれば、こんなにも予想を裏切られ、新鮮な心地です。言葉のイメージが広がりました。
    「六一儿童节」の晩の出来事は、実際にあったことだと、あとで知りました。読み返せば、任菲菲が両親が電話でしゃべっているのが夜9時、臨場感が高まりました。

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