2024年8月3日土曜日

8月3日の読書会

先週今週と、2週続けての読書会、夏だけに打ち上げ花火みたいに威勢よく読み進んでます。そういえば今日は花火大会。

今回は全員そろったので、お喋りタイムもそこそこにさくっと本文に入りました。


【風景描写がいまいち目に浮かばない】

夕焼けの描写に「对天空的热吻」(p.85)とか「黑夜最觊觎的吻」(p.85)といったドラマチックな表現が出てくるとすごく文学的な匂いがして、“かっちょいい、おとなっぽい……”としびれてしまうのですが、さぁそれを日本語にして捉え直してみようとなると、もうお手上げ。作者のイメージの飛躍についていけず地上でぴょんぴょんしています。


【「黑黢黢」と「黑魆魆」】

黑黢黢的船」(p.85)の「黑黢黢」、「黑魆魆的望不到边际的山」(p.89)の「黑魆魆」、辞書には「黑黢黢」は「真っ暗・真っ黒」、「黑魆魆」は「(部屋や空が)暗い」とあります。qū qūとxū xū で「黑」のイメージがどう変わってくるんでしょう。ほかにも辞書には「黑漆漆」「黑乎乎」「黑晶晶」「黑洞洞」「黑森森」「黑黝黝」「黑油油」なんていろいろあって、重ね型選手権 色部門で黒は断トツ1位です(そんな選手権はない)。「黑○○」どうしで置き換えられるものもあれば、できないものもありそうです。それを理解できる中国語の使い手に……、そういうものにわたしはなりたい(賢治か)。


【いよいよ幻想世界へ】

「先是片状云像羽毛似的撩拨月亮,也顺带给它们点染了春心,令片状云红了脸庞」(p.86)。ここの「它们」って片状云のこと? と疑問が出ました。片状云が月亮を撩拨したら、月亮の春心が片状云にも点染して、片状云の脸庞が赤くなったと……(日本語がざんねんすぎる)。先ほどの「热吻」といい、擬人化がとんがりすぎていて、とっても難しいです。難しいなりに、片状云<块状云<乌云の順で山の天気が急変していく様子がドラマチックに表現されているなぁとしびれました。


【着ちゃダメだって、食べちゃダメだって】

目覚めれば、そこはもう読者の期待通り「境目の世界」。あっちに行くのか、こっちに行くのかの境目です。そんなこととはつゆ知らず、主人公の「我」は助けてもらった(?)謎の陶工に着替えを渡されます。さぁ、そのズボン「裤子是散腿的」(p.88)の部分で、疑問が出ました。愛知大学『中日大辞典』の「散腿裤」sǎn tuǐ kùを見ると「开档裤」kāi dāng kùに飛べとあり、飛んでみれば、ようは子どもの履く股割れズボンとあります。おとながそんなズボン履くのは変でしょ、でもこの作者の事だから何か意味があるのかな、と勘繰りだすわけです。た、楽しい……。とはいえ、理性的な仲間の一人が、ここはたんに裾の広がったズボンということでいいんじゃないの、「散」もsǎnではなく、ここはsànでいいんじゃないの、と正道に引き戻してくれました、ちぇっ。まぁ、そうですね。百度先生の画像検索でも、おしゃれなLoose-leg pants(←Google翻訳)がたくさん出てきました。それにしても、この着替えの服が「穿上很合体,像是专为我预备的」(p.88)だというのです、ぞくぞくします。

陶工は新しいお碗で「我」に食べ物を振舞います。このお碗がまた意味深だし、その食べ物もあやしげです。C・S・ルイス『ライオンと魔女』で、魔女がエドモンドに与えた食べ物と同じくらい危険な魅力。わたしも口にしてみたい。童心に帰って、“あー、着ちゃった、あー、食べちゃった……”と、お約束の展開にすっかり引き込まれてしまいました。


8月読書会は人が集まれば、2回やります。[祥]

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