1月読書会(15日14:00〜)、Skypeで開催しました。白状します。いまだにSkypeの通話の切り方がわからない。あわあわしてるうちに、取り残され、己の鼻の穴を画面に映して、気づけばなんとなく切れたかも……? というお粗末さ。
成長したい。
遅ればせながら、今年もよろしくお願いいたします。
年末年始、皆さんどのように過ごされたのでしょう。「ひとり読書会」随時開催のわたしは、目下、「趙本夫まつり」まっただ中です。
『中国語で短編小説を読もう! 靴屋と市長』(趙本夫 著/永倉百合子・胡興智 訳・解説)の付属CDがとても心に沁みたのでした。
〈鞋匠与市长〉……ぶっちゃけ、冴えないタイトルだったので、まずはCD聴いて、おもしろかったら本文読もう、などとすすけた心持ちでいたところ、聴くうちにじわりと引き込まれ、40分ほどの収録を聴き終えたあとにはすっかり心が洗われ……いや、心が漂白されていました。まっしろ、驚きの白さですよ。
よく見れば、帯のキャッチコピーには「大人の童話」とあります。あぁ、確かに。製作側の思う壺にすっぽりはまった感。
「大人の童話」、この味わいを求めて、同じく趙本夫氏の短編〈天下无贼〉を読んでみました(百度先生の恩恵を噛みしめつつ)。この作品も読後感は〈鞋匠与市长〉同様、人の温かみが心に沁み込む、泣きたくなるような味わいでした。いまは〈青花〉を読んでいます。これは景徳鎮を舞台にした中編で、筋立てのおもしろさで先へ先へと読み急いでしまいます。〈天下无贼〉と〈青花〉は映像化もされているようなので、機会があれば観てみたいです。どちらも「大人の童話」とは言い難いですが、嬉しい期待はずれでした。
このあと、『砕けた瓦』(勉誠出版 2002年)、『涸れた轍』(朝日出版社 2016年)が控えているので、「趙本夫まつり」はまだまだ続きます。訳者の永倉先生にありがとうを伝えたい。やっぱり読書は本の形態がいいなぁ。
前置きが長くなりました。
さて、本文。今回は蜜蜜の彼女 鄒姑娘の人となりが際立ってました。
すっかり落ちぶれた蜜蜜、いよいよ年貢の納め時がやってきます。なんと鄒姑娘が、食事のまっ最中に突然の結婚宣言。あっけにとられる食卓の面々。
当事者の蜜蜜が食事の途中で電話で席を立ち、宣言の瞬間に居合わせなかったのは、もしかしたら鄒姑娘と最初からそう打ち合わせていたのかもしれない、想像が膨らみました。蜜蜜は自分から言いたくなかったのかもしれないし、さらにいうなら、結婚なんてもともと念頭になかったのかもしれない。でも、このタイミングでの結婚宣言……そうせざるを得なかった事情がありそうです。「わたし」とのランチでのあの食欲といい、最後まで読んで思わず苦笑。鄒姑娘にイニシアチブがっちり握られてます。
今回あがった問題点のひとつ「ウィトゲンシュタイン全集」を「わたし」が蝸牛に贈ろうと考えた理由について、読書会終了後、あらためて考えてみました。
思うに、蜜蜜たちの結婚宣言は、蝸牛にとって刺激が強すぎたのかもしれない。もともと酒豪の蝸牛は、この日はさらにたくさん(料理を失敗するほど)飲んだ。失恋のいたみをいまだ引きずり、蝸牛は本文の「凡是能够说的,都能够说清楚,凡是不能谈论的,就应该保持沉默」とは“正反対”の言動をとった。ようするに、酒を飲みすぎて失態をさらしてしまった。「ウィトゲンシュタイン全集」を贈ることは、「わたし」から蝸牛への暗黙の戒め、あるいは慰めなのではないか、わたしはそう解釈しました。
次回で〈过香河〉は読み終わり、そのまま次の作品、笛安〈我认识过一个比我善良的人〉に入る見込みです。
2月読書会の日程はまだ未定です。興味のある方、HPからご連絡くださいね。いつでも、どなたでも、歓迎です。
さぁさぁ、新しい作品に切り替わる、いまがチャンスですよ。[祥]