2025年6月9日月曜日

6月8日の読書会

新しくナカさんが加わり、いつにない晴れやか気分で今月も公民館で開催しました。本文に入る前のお喋りタイムは、室生さんとShenshenのジョギングコースで見かける植物の話で盛り上がりました。今回の作品〈落日珊瑚〉には植物名がたくさん出てきます。残念ながら、日本でお目にかかる機会はなさそうな名前ばかりのようです。


【精神的に目覚めたわけじゃなし】 

一觉醒来,发现自己鼻子变长或者长出了翅膀」(p.325)

ここの「一觉醒来」を「一觉jué醒来」と読んで、睡觉のjiàoだよと指摘されました。「一 觉醒 来」だと思っていたのです。醒过来といういい方があるのだから、觉醒来という言い方もあるだろうと深く考えていませんでした。でも、そんな言い方はないのでした、残念(あればいいのに)。考えてみれば、ひと眠りして目覚めるのだから、やっぱりjiàoが正しいです。覚醒……カクセイ……言葉にすれば、そんな精神的に目覚めちゃったわけでもないよな、と自分でもおかしくなります。

【擬人・擬物が過ぎる!】 

前回も思ったのですが、とにかく本作品は擬人化がエグいです。今回も車が植民者になったり、船が魔法使いになったり、島がプレゼントもらっていたり、……ブンガク難しい。とにかく、ありとあらゆるモノ・コトに生命が宿り、文章全体が生命の気配で満ちています。文章は静かなのに、生命の気配でむせ返りそうです。

【日本の干物とはかなり違うらしい】 

「一看见母亲烧咸鱼就提醒她,少吃咸鱼咸鱼会致癌的」(p.327)

この「咸鱼」、単純にアジの干物っぽいものを想像していたのですが、その子さんが「ハムユイ」というものだと教えてくれました。調べてみたら、おもに中国南方、特に広東省や香港などで食べられる塩漬け発酵魚だそうです。魚を塩漬けにして半発酵させたあと、天日干しすることで「独特の風味」を持つ食品、とありました。その独特なる風味がくさやっぽい方向らしく……。さらにネット用語で「咸魚」は、「死体」「やる気のない人」を指す言葉として使われることがあるとか。「咸魚」にせよ「死体」「やる気のない人」にせよ、お互いに身もふたもない言われようです。ともあれ、調べるほどに日本の干物がとても軽くて淡白な食品のように思えてきました。

【とりあえず、がっぽり稼ぐかどうかは問題ではなかった】

「很多人都出去打工了,赚了钱好回来盖小洋楼。」(p.327)

ここの 「」を「赚了钱 回来~」だと思っていたら、ここは「赚了钱 回来盖小洋楼」だとShenshen。ここの 「」は動詞の前について、「~しやすい・~するのに都合がよい」という意味になると教わりました。つまり「帰ってきたら小さな洋館を建て“やすい”」という意味の「」というわけです、なるほど、そうだったのか。わたしはてっきり、赚好で「お金をしっかり(たっぷり)稼ぎ終える」という意味だとばかり……、だからここの「」は結果補語だと思ったのでした。ですが、赚了钱好などという言い方はないのでした、残念(あればいいのに)。そんなわけでChat GPT先生に、もし「赚了钱好回来盖小洋楼。」という文を「赚好」を使って書き換えるとしたらどうなるか聞いてみました。すぐに2つ教えてくれました(先生、すごい)。

他们在外面把钱赚好了,就回来盖小洋楼。

赚好了,就能回来盖小洋楼。

この2つを見てやっと、「赚了钱 好回来~」が理解できました。さっすがShenshen。

【語感のコスパ感、最強】

「老人们大部分时间枯坐在家门口或躺在吊床上」(p.329)

枯坐」に「つくねんと座っている」って言葉を当ててくれたのが室生さんです。びりびりしびれました。空気のにおいとか時間の流れが止まった感が伝わってきます。生気のない虚ろな感じを「」の1字でばっちりカバー。室生さんの言葉のセンスもすごいけど、中国語1文字でこれだけの情報量と情感、コスパ最強。


一巡して、次回の読書範囲をみんなでつらつら眺めていたら、いよいよ植物と珊瑚のわけわからん固有名詞の嵐が目前に控えていることが判明。調べ出したらきりがないし、調べてもピンとこない自信ありあり(固有名詞は中国語そのままでお茶を濁す件、再確認)。ところで画像検索で珊瑚石を見ると、ちょっとこわい感じがするのはわたしだけでしょうか。見ていると、ぞわっと鳥肌が立ちます。ちなみにShenshen豆知識によると、日本の国会議事堂には、中央広間や柱・壁面などに沖縄県宮古島産の珊瑚石灰岩が用いられているそうです。そういえば小学生のころ、社会科見学で国会議事堂に行ったような、行かなかったような……。

来月、もし暑かったら、リモートという手もありますね。

皆さん、家のなかでも水分補給しっかりと。うっすら吐き気がしてきたら要注意ですよ。[祥]