2025年1月13日月曜日

1月12日の読書会

全員参加の読書会となりました。今年もよろしくお願いします。さっそく駅伝の話から始まり、インフルエンザが流行ってきた等々の状況を聞きました。日本は寒そうです。杭州は、「庆祝元旦」の横断幕が宿舎入り口に素っ気なく飾られただけで、それも気づかぬうちにあっさり消えてました。新年気分はまったくなく、2日からいきなり期末テスト期間に入るので、なんとなく重たい気分の幕開けでした。とはいえ、いまはもう無事、試験もやり過ごし、修了書も受け取り、晴れて自由の身(?)です。公式には今日から冬休みですが、実際は先週から毎日、外をあちこち歩き回っています。博物館・美術館などはどこもたいてい無料です。交通費が安く、バスをよく利用します。山をくねくね上っていくバスはスリル満点、西湖を中心として町全体がでっかいテーマパークみたいです。

【「吃得那叫一个美」の「美」】

「那段涨水,江河水浑,自古浑水好摸鱼啊,鸟儿一群一群地飞到巴兰河,吃得那叫一个,羽毛都跟缎子似的,光光亮亮的。」(p.108)

「吃得那叫一个」の「」がなんの「」なのかよくわかりませんでした。わたしは美食の「」だと思って、「ごちそうを堪能し」と日本語に直しましたが、仲間からここは後に続く文章にかかる「」ではないかという意見が出ました。つまり、食べた結果の「外見的な美しさ」を意味する「」という解釈です。鳥たちが豊富な魚を存分に食べ、栄養状態が向上した結果、羽毛が艶やかになったという「」です。そうか、なるほど!

【しびれる言葉選び】

「我说他像岩石一样立着的鸟儿,是苍鹭,这儿的人都叫它长脖老等。」(p.109)

わたしだったら苍鹭も长脖老等も「アオサギ」って素っ気なくやり過ごしてしまうところ、その子さんは「长脖老等」を「首長待ちぼうけ」と、いい言葉を引っ張ってきました。ほかにもいくつか候補があって、どれもうまいなぁと思いましたが、「首長待ちぼうけ」がいちばんしびれました。「我」のお母さん、辛辣ですね。

【「岂不白活一世」なのはどっち?】

「女人扫我一眼,说不救生灵的人,要是生灵救了他,岂不白活一世。」(p.109)

「岂不白活一世」で「一生を無駄に生きた」のは、「人」 の「我」ではなく、「生灵」の「长脖老等」のほうこそ“助け損じゃん?”と思いました。わたしは、第1章 楔子の最後p.87で、あの身を挺して「我」にぶつかってきた鳥が「长脖老等」ではないかと想像していたからです。

けれど、よくよく考えてみれば、「我」は「长脖老等」に救われるようなことがあったとは思っていない。ここでの女の発言は、非常に思わせぶりです。「岂不白活一世」という言葉には、「我」の人生が「一生を無駄に生きた」という皮肉と、じつは彼女はすでに「我」を向こう岸へ渡す気満々でいることが、じわじわと伝わってきます。こわいです。

【食べるって、戦い】

「我沒吃到任何一根刺和鱼骨,没有遇到抵抗的鱼肉,沦陷的注定是食客。」(p.109)

沦陷的注定是食客」をどう日本語にしていいやら悩みました。何が沦陷なのかよくわからなかったのですが、仲間それぞれの日本語訳を聞いて、魚の美味しさに圧倒されて、食べる側“食客”がその味わいに抗えず、全面的に屈服するから沦陷なんだと、わたしなりに理解しました。「刺」「抵抗」という攻撃的な単語が、沦陷をより生き生き感じさせるのかもしれません。口の中で、壮大な戦いが繰り広げられているみたいですね。それにしても、「食べちゃダメ」っていわれたら、そりゃよけいに食べたくなるってもんです。これは女の計略か?

さぁいよいよ、渡し場の女が本性をあらわしました。見えない縄でぐるぐる巻きの「我」はそのままで次回の読書会に持ち越しです。月1でぼちぼち読み進めているので、終わりはまだ数か月先ですが、そろそろ次の作品選びの時期です。発掘王 その子さんに期待しています。


気まぐれで自転車で銭塘江を渡ってみました。歩いて渡ってみるつもりでしたが、川幅におそれをなして断念。自動車とは車線で区切られているものの、電動車がクラクションびーびー鳴らしてバンバン追い越していく。肩身狭い、とろとろと西興大橋を自転車で20~30分かけて渡りました。もうこりごり。

最後の授業が終わって、感傷的になりそうな気分を上げるために髪を切りました。40元でした。800円くらい? こちらの要望を伝える会話力がなかったので、お任せにしたら、おっちゃんがめっちゃ丁寧にやさしく対応してくれた。ただ、髪を流したあと、自分で拭けとタオルを頭にぽんと乗せられたときは、中国だなーと感じました。最後に眼鏡かけて鏡みて「前髪もっと切ってくれ」とお願いしたら、これがいいバランスなんだといって向こうは譲らなかったです。日本だったら、はいはいって切ってくれそうなところなのに。

ほかにも、仲間と映画館で映画を見たり(上映中にいきなりマッサージが始まってびっくりしました)、KTV(カラオケ)に行ってみたり、誘われるままとりあえずあれこれ体験しています。みんな、よく知っているなぁ。

夢のような留学期間もあと8日間となってしまいました。“あっという間だろうな”と予想していましたが、予想以上にあっという間です。わたし、成長したんだろうか、まったくわからないです。身に染みてわかったのは、20代30代の若い留学生たちにはやっぱりかなわないってことです。記憶力・瞬発力・適応力、どれをとっても差を感じます。老師も自分より年上のわたしを特別大目に見てくれてた感があって、それがかえって情けなかったです。だから、行くなら“若いうち”なんだなぁと痛感。わたし、ここに無理やり滑り込んだ感じ。食堂のおばちゃんたちは、いまでもわたしのこと学生ではなく老師だと思っているし。まあ、もういっかぁ。今回の経験がじわじわと自分の栄養になることを期待してます。帰ったら、また黙々と肉体労働の日々になるかと思います。身体鍛えないと。その前にまず歯医者に行きたいです。なんだかんだで、やっぱり健康が第一。体が資本、これ結論。いやいや、帰国までまだ日がある、最後の最後まで歩きまわります。上海にもちょっと行ってきます。[祥]