本年最後の読書会、よもやま話多めのまったりペースで読み進めました。
【使ってみたい単語】
「有种你就到我妈面前去说说这事!」(p.37)
舒秋燕が夫の龐雨生に投げつけたこの言葉「有种」。ちょっと威勢のいい感じがします、夫婦喧嘩で一度は使ってみたい。いや、夫婦喧嘩でなくとも講談社『中日辞書』には「有种的跟我上(度胸のあるやつはおれについてこい)」、「有种的站出来(勇気があるなら名乗って出ろ)」などとあります。かっこいいじゃないですか。「有种」があるなら「没种」もあるわけで、こちらは「いくじがない、だらしない」で、どちらも“いつか使ってみたい欲”を刺激され、目下、虎視眈々と使いどころをねらってます。
【新鮮な動詞】
「庞雨生狠狠地剜了舒秋燕一眼」(p.37)……睨みつけてるんだろうなぁとは想像したのですが、「剜」って凄みのある動詞です。
「杨可伊坐正身子,取过纸巾掖了一下眼眶」(p.40)……ナプキンを目に押し当てているんだろうなぁとは想像したのですが、「掖」ってこういう使い方もするのかと。いまいちピンとこないなぁ。
【つくりが同じ】
2つの文章をもとに仲間が気づかせてくれました。
「不要说提起杨可伊,就是脑子里出现这女人的影子,他都觉得是一种罪过……」(p.37)。
ここの「不要说」は禁止ではなく、“〜するのはいうまでもなく”という意味あいになる。同じページの、
「先不说纪检组要找他算账,就是眼前这女人,他也受不了……」(p.37)、
ここの「先不说」は、“〜はさておき”という意味あいになる。さっきの文章と構造が同じだねと、なるほどー。
【思い違いその1】
「接着你该问我要钱了,是不是?」(p.39)
不自然な直訳日本語でものを考えていると、“どうして、我に问しなくちゃなんないの? 钱が要なのは杨可伊のほうなのに……”となるわけです。
「问」に「……に向かって、……に対して、……に(……もらう……してもらう)」など、介詞の働きがあることを教えてもらいました。介詞ですってよ。
「问奶奶要零花钱(おばあさんにお小遣いをねだる)」講談社『中日辞典』
「你不该问他要钱(お前は彼に金ををねだってはいけない)」大修館書店『中日大辞典』
「问」するのは金だけだと思ったら、《现代汉语词典》には「向(某方面或某人要东西)」で、「我问他借了两本书」(彼に本を2冊借りた)ってある。
あー、辞書ってすごい。
【思い違いその2】
「河滨路项目摊子铺开了,你也走不开」(p.40)
“河畔路のプロジェクトって、いったいどんなプロジェクトなんだろう”と疑問に感じていたところへ「摊子铺开了」ってあるものだから、“へ、プロジェクトって、まさかの露店?!”ってびっくりしたのでした。だって、楊可伊って才女なのに、国の重要プロジェクトも手がけたことのある、高学歴の女性エンジニアなのに、それなのに……露店って……、“なんかしょぼくない?”と、心の中でツッコミを入れつつも、屋台の立ち並ぶレトロな商店街……もとい、一周回って新感覚のショッピングモールを勝手に想像していたのでした。“そんなわけないだろ”と心の片隅で思いつつ……。案の定、ちゃんと仲間が訂正してくれましたとも。あとで調べたら、講談社『中日辞典』や北辞郎には摊子「(まとまった)仕事.問題.状況」って、ちゃんと載ってました。楊可伊に申しわけないことした。辞書ひくのをおっくうがるから、ほら、またこうなる。
龐雨生は子どものころ字が下手で、祁先生に「これで字の練習なさい」と欧陽詢の楷書のお手本「九成宮」を手渡され、その後、めきめき字が上達します。文章うまくて、字もうまけりゃ、確かに人生得することが多そうです。今回の読書会のよもやま話で「リスニング力をつけるには、听写がいいんじゃないか」という話がでたこともあり、そうだこの際、「ボールペン習字」と「听写」をミックスした「听写習字」はどうだろうとひらめきました。ここ数年来、手書きの機会がとんと減り、日本語の漢字もまともに書けなくなってしまいました。「听写習字」、よしやろう……来年から(←若干弱気)。ひらめきがしぼむ前に簡体字のなぞり書きペン字練習帳を購入、あとは、昔懐かしジャポニカ学習帳の「かんじれんしゅう」ノートだな!
ひとりで読んでいると、超テキトーに読み飛ばして、わかったつもりになって、それで通り過ぎてしまうことばっかりです。今年得たたくさんの気づきや発見のほとんどが、皆さんのおかげです。
ありがとうございます。来年も、ゆっくり・じわじわと仲間と作品を共有していきたいです。
よいお年をお迎えくださいね、ではまた来年。[祥]