2023年11月25日土曜日

11月25日の読書会

今回から、彭瑞高〈逃匿者〉が始まります。全員揃って、幸先いいスタートをきりました。

思わず一気読みしてしまうテンポのいいストーリー展開です。

テンポよすぎて、ついつい辞書を引かずに読み飛ばしてしまう。勝手に想像力を膨らませて、ちょいちょい思い違いをしそうです。ていうか、もうしてた。

【思い違いその1】冒頭からいきなり呼び出しくらって震え上がる主人公の龐雨生。そこで彼が真っ先に心配するのが「老人の世話」のこと。ここでいう「老人」とは、彼の恩師であり義母でもある祁先生のことなんですが、冒頭ではその関係に触れていません。“老人って誰よ? 身内でしょ、なんかよそよそしくない?”って、感覚だけで思うわけです。辞書には「自分の老父母、あるいは祖父母」とあるのを知らずに。日本語でも「うちの年寄りが〜、っていいますよね」とその子さん。あ、確かに。全然よそよそしくなかった、むしろ親思いか。

【思い違いその2】「他重新拿起电话,又放下。」(p.32)、ここを読んで、“へ? 事務室の電話はダイヤル式なんだー、昔懐かしの”と思ってました。役所の電話だと傍受されるかもしれないと、ダイヤルぐるぐるしかけて、途中でやめたのかと。そのすぐあとに彼は自分の携帯電話を取り出します。“なんだ、携帯あるじゃん。役所の設備が古いだけなのかー”と、さらに思うわけです。仲間が教えてくれました。「旋」には「間もなく」とか「すぐ」という意味もあるんだと。仮にダイヤル式だったとしても、電話をかけるときは「旋」ではなく、「拨」だよ、と。……辞書を引かず思い込みで字面を追ってしまうと、わたしの豊富すぎる想像力はとんでもない勘違いを生んでしまう。“そういや、「拨」という動詞があったっけ”、そう思いながら読み進めると、あったあった、p.32に「他拿起电话拨通了出入境管理局」って出てきました。この作品は、電話の場面がけっこう多いです。


それにしても、この龐雨生という男、心の声がかなりうるさいです。表側と内側のギャップが大きい。一読したときは、主人公の身勝手さに強い反感を覚えましたが、何周かするうちに、“この人、まじめなんだろな、女性からももてそうだし”に変わり、いまは、彼の心の声に共感を感じてきました。これから読み進めていくなかで、まだまだ変わっていきそうです。[祥]